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書評「X線鑑別診断マニュアル」
平松 慶博
1
1東邦大学
pp.204
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110388
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本書の序にも書かれているように,疾患の診断の過程において,ある特定の疾患である可能性を,まず念頭に思い浮かべることが重要であるが,往々にして,鑑別診断のリストの枚挙が不完全で,まれにしか遭遇しない疾患を,すっかり忘れてしまうこともある.この傾向は特に初心者において強いことは言うまでもない.これに対する対策として,疾患群の頭文字を並べて憶える方法などがあるが,すべての疾患について,その鑑別疾患を完壁に憶えるなどということは,無論不可能なことである.
有名なFelson(残念ながら昨年亡くなられた)およびReederの著した“Gamut in Radiology”はいわば鑑別診断のバイブル的なもので,放射線科医ならば誰でも知っている名著であるが,あまりにも内容が多すぎて,実際的でない部分もある.
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