Japanese
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入門講座・4
小腸X線検査の実際
Radiological Examination of the Small Intestine
八尾 恒良
1
Tsuneyoshi Yao
1
1福岡大学筑紫病院内科
pp.497-500
発行日 1990年4月25日
Published Date 1990/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110777
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6.注腸法による下部回腸造影法
病変が回腸末端または下部回腸に存在する場合,注腸法でバリウムおよび空気を回盲弁より回腸に逆行させ病変を描出する方法もよく用いられる.この際,あらかじめ大腸に病変がないことがわかっており,大腸をある程度犠牲にして回腸のみを目的として行う場合にはバリウムを大量に,十分に逆流させることができる.しかし,Crohn病や腸結核のように大腸にも病変が存在して(あるいは微細病変すら存在しないことを証明しようとして),大腸の正確な造影を行い,しかも回腸病変も描出することは至難の業である.すなわち大量のバリウムを回腸へ逆流させれば大腸,特にS状結腸と小腸索が重なり合って,大腸,小腸いずれも正確な造影ができない.また逆に通常どおりの大腸の精密な描出を目的とした検査法ではバリウムを十分に逆流させることができず,回腸末端の一部は描出できても,広範に回腸を描出することはできない.
大腸を犠牲にして回腸のみを目的とした注腸造影は,以下のごとく行う.
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