特集 公衆衛生の新らしい動き
展望
胃集検の現状と問題点
愛川 幸平
1
1大阪府立成人病センター
pp.681-688
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203384
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はじめに
胃癌集検の術式に関する研究班は,昭和40年度の胃集検全国集計1)(その総括を第1表に示す)を報告するとともに,その総括報告書2)で次のように述べている。"残された問題は,間接レ線では基本撮影法(立位・臥位充満4枚法)に加える2枚の撮影法をどうするかということと,内視鏡検査法を集団検診の第一次ふるい分け検査に使用するかどうか,レ線との併用をいかにするかということである。この問題は病院外来における集検(外来集検)上に特に重要である。(中略)また間接レ線に対する補助的検査として問診は欠かされないが,この他の生物学的検査にまだ使用しうるものは見当らない。"なおこれらの結論に加えて解像力の優秀なこと,被曝線量の少ないことなどから,間接レ線撮影装置としてミラーカメラの使用が推奨されている。従って,昭和41年度厚生省が各府県に補助金を交付して整備をすすめている胃集検車についても,さきに述べた撮影装置と方式を採用するよう指導している。すなわち,このように胃集検のスクリーニングフィルターと,それを用いる術式に関する限り,大まかなところ現状での標準化に達成されつつあるのではないかと考えられている。さらにこれらの技法を中心とした胃集検成績はしばしば報告され論議されているので,今回は本稿の目的外のものとしておきたい。
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