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書評「大腸疾患の鑑別診断」
中村 恭一
1
1筑波大学
pp.721
発行日 1983年7月25日
Published Date 1983/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109478
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医学生,レジデント,あるいは消化管疾患を専門としたいという内科・外科・病理医などから,大腸の疾患を勉強するためにはどの本が最適か? と問われた場合には,躊躇することなく本書を推薦する.その理由は3つある.
すなわち,まず第1に,多数の大腸疾患に対して,それらを知るための基礎となる病理そして臨床的事項が必要かつ十分に記載されていて無駄がない.更には本書の題名ともなっているように,その内容は常に他疾患との関連において述べられている.例えば大腸の潰瘍性病変の診断の基本について,潰瘍性大腸炎を鑑別診断の出発点に置く,つまり,それを前提としてそこから思考を進めていくことであると著者が述べているように,著者の明晰な頭脳の中に形成されている潰瘍性病変の診断のためのdecision treeの部分部分を随所にみることができる.
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