今月の症例
膵の囊胞性疾患
藤田 力也
1
Rikiya Fujita
1
1昭和大学藤が丘病院内科
pp.708-710
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110332
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〔症例の見どころ〕患音は42歳,男性.主訴は全身俗怠感と腹部膨満感.21歳ごろより飲酒歴(毎日日本酒5~6合)があり,アルコール性肝炎として入院した既往がある.入院時臍上部に柔らかい手拳大の腫瘤と,肝腫大(2横指)を触知した.まず腹部エコーで検査を開始,膵頭部に囊胞性変化を認めたので,ERCP,CTを行った.pancreas divisum例の腹側膵に仮性囊包を認めたまれな症例で,内科的治療で囊胞性変化は縮小,軽快した.小(副)乳頭からの背側管膵の造影法を含め,鑑別診断や外科適応など紹介するのに適当な症例と考えられる.血清amylase 126Su(S:39.3%,P:52.1%),尿amylase 1430Su,CRP(+),PFD 82%,75g OGTT DMパターン,PS testでは重炭酸塩濃度のみ軽度低下.
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