今月の症例
X線検査で発見した早期食道癌
山本 勇
1
,
海上 雅光
2
,
木暮 喬
3
Isamu Yamamoto
1
1虎の門病院放射線診断学科
2虎の門病院病理学科
3東京大学付属病院分院放射線科
pp.466-468
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109814
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〔症例の見どころ〕Im,右後壁,15×10mm,深達度mmの早期癌である.患者は50歳,男性.来院9か月前より熱いものを飲み込む際に,軽い前胸部痛を感じていたが放置していた.外来における初回のX線検査で,中部食道右側壁の伸展不良と同部の複線化を認め,“食道隆起性病変,癌疑い”と診断した.その後の内視鏡検査および生検にて癌と確診し手術した症例である.本症例のX線所見をみると,病変を正面像で捉えるより,側面像で捉えたX線像のほうが,異常所見を指摘しやすいことがわかる.このことは食道微細病変のX線診断において共通しており,拾い上げ診断では,辺縁およびその近傍粘膜の異常を読み取ることが重要である.
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