Coffee Break
良い雑誌の条件
中澤 三郎
1
1名古屋大学第2内科
pp.248
発行日 1985年3月25日
Published Date 1985/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109745
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この間ある会合の後,ジョッキを傾けながら世間話をしているうちに,医学雑誌の話が俎上にのぼった.大凡の内容は次のごとくである.医学雑誌は現在大小合わせれば何百種類にも達する夥しい数が毎月発行されている.しかし,自分の手元に来る分だけでも何十種類なので,熟読玩味などということは不可能で,大部分は目次を見て書棚にしまってしまい,特に注意を引いた内容のものだけ目を通し,忙しいときには,要点のみを読んで,それで理解したような気分になって満足する場合が通例ではないだろうか.
その中で,ちょっと詳しく読んでみようかなと思わせるもの,つまり読者の気を引くものは何であろうか.題名か,著者か,書出し部分の読みやすさ,すなわち,漢字が少なく難解な文章がないことか,文字が少なくて図表やイラストがカラーで数多く入っているものか,あるいは逆に,内容が高度で格調高い文章か,論旨の一貫性,簡明な結論か,などいろいろな意見が出た.なかには表紙の体裁も大きな理由にはならないかという意見もあった.
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