今月の主題 大腸sm癌
主題症例
B 内視鏡的ポリペクトミー後に腸切除した例
9.ポリペクトミー切除端に癌の浸潤を認めたため腸切除を行ったsm癌の1例
五十嵐 正広
1
,
中 英男
1
,
勝又 伴栄
2
,
岡部 治弥
2
,
高橋 俊毅
3
1北里大学医学部病理
2北里大学医学部内科
3北里大学医学部外科
pp.822-823
発行日 1983年8月25日
Published Date 1983/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109413
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〔症例〕64歳,男性.1977年7月新鮮血便を認め来院.注腸造影(Fig. 1)にてS状結腸に長径1cm前後の山田III型ポリープ様病変を認めた.ポリペクトミーによる完全生検の目的で入院.
内視鏡所見(Fig. 2)では表面顆粒状でびらんを伴う.ポリペクトミーのためスネアをかけたところ通電前に抵抗なく切断された.翌日の内視鏡検査では,中心に陥凹を残し,ポリープの残存を認めた.ポリペクトミーされた標本(Fig. 3)は,1.1×1.0cmで,図に示すように大部分が高分化型腺癌で,切除端にも浸潤を認めたため,粘膜下層への浸潤を考え,2度目のポリペクトミーを行わず外科的に腸管切除およびリンパ節郭清術を施行した.切除標本(Fig. 4)では,残った腫瘍は1.0×0.7×0.5cmで分葉状,表面は平滑,中心に陥凹を認めた.
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