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アメリカの消化器病学会(AGA)は,世界の消化器病学会の中でもレベルの高い学会の1つとされている.今年は5月23~25日,Washington D.C.のSheraton Hotelを中心に行われた.これはアメリカの消化器関係の4つの学会(ASGE,AASLD,GRG,SSAT)と合同で行われた.これに卒後教育コースを併せるとちょうど1週間になるので,これをdigestive disease week(DDW)と言っている.全部聴こうとすれば1週問拘束されるが,日本のようにあちこちで1年の間に何回も同じような学会が行われるのとはだいぶ違う.殊に学会の主体は23~25日の3日間に集中していて,これに参加すれば消化器病学全般の大体の動向をつかむに十分であるし,アメリカの消化器関係の研究者は,これに向かって1年間をフルに充実して研究活動に没頭できるわけで,こんなことがアメリカの消化器病学会を世界でもレベルの高いものにしている所以であろうか.
とは言っても,学会演題数は全部で650題とむしろ少なく,このうち70%以上の475題がポスターセッションとなっている点は注目に値する.口演は午前中はPlenary session1つで,午後はsymposium,research forumが2~4会場で行われるぐらいで,ほかにscientific presentationが1つあるだけであり,比較的集中して聴くことができるようになっている.口演時間は1題15分前後,ポスターは3時間ずつ2交代で,全体に討論が十分に行われるように工夫されている.シンポジウムは全部で7つで,消化管神経系に関する研究の最近の進歩,Crolm病術後再発のrisk factor,加齢の問題,消化管運動に対する中枢および末梢神経の機能,VIPと消化管運動機能に関してなど,いずれも内容の明確なもので,ほかにclinical symposiumとしてウイルス性肝炎の診断と予防と共にgay bowel syndromeといった極めて新しい疾患が取り上げられていた.英語の苦手な私はあまり熱心な聴講者ではなかったが,いずれもまとまった1つのストーリーになるように内容が組み立てられているのにも感心させられた.特別講演も幾つかあり,この中に虎の門病院の秋山洋先生の“食道癌予術の発展”と題した講演があった.
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