時評
本年の赤痢を觀て
舘林 宣夫
pp.284-288
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200976
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1)概況
本年の赤痢の流行は既に昨年から豫測せられていたところである。さらにさかのぼつてこの流行は昭和24年夏頃から始まつている。
昭和24年以降の流行状況から,公衆衞生院疫學部に於ては,純粋に算術的に本年の赤痢を豫測して,117,000名とした。然し實際の發生はこの豫測を裏切つて,大體8萬臺に留るものと私は見ている。この豫測の大きな狂いは,25週に降起つている。即ち第1圖に示す通り,本年當初に於ては大體豫測の線に添つて増加していたので,或は全く豫測通りになるかと思つていたが,6月から豫測より少くなり始め,最盛期には豫測より相當下まわつた爲である。
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