学会印象記
第5回日本消化器関連学会週間(DDW-Japan 1997)
松井 敏幸
1
1福岡大学筑紫病院消化器科
pp.986
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105174
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大腸に関するテーマを中心に
DDW-1997は名古屋国際会議場で4月17日~20日の4日間開催された.大腸疾患に関連した学会は主として,日本消化器病学会,日本消化器内視鏡学会と日本大腸肛門病学会の3学会であった.広い会場にも恵まれ,円滑かつ余裕ある運営がなされていた.臨床的テーマ(形態診断と治療)に重点を置いて,本DDWの印象を述べてみたい.
最近の学会では大腸癌に関する演題があまりに多く,すべてを聴くことは不可能であった.今回は大腸に関する主題を絞ったためか,取り上げられた主題あるいは一般演題はすべて聴くことが可能なように配置してあった.会場から町へ出にくいこともあり,筆者は(最近になく)かなり多数の演題を聴いたとの印象が持てた.一般演題「大腸炎症性疾患」では,潰瘍性大腸炎に関する演題(例えば,簡便なX線検査の臨床的意義や虫垂病変の意義)に興味深い報告が多かった.また,「大腸悪性腫瘍」のセクションでは,主としてⅠs型癌の発育などが問題となり,今後そのoriginを解明する努力が必要との意見が多かった.口演は一題ずつ討論ができ,非常に熱のこもったもので,興味深かった.
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