一頁講座
悪性潰瘍の治癒例(1)
三輪 剛
1
,
武藤 征郎
1
,
広田 映五
1
1国立がんセンター
pp.626
発行日 1972年5月25日
Published Date 1972/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109115
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胃潰瘍の良悪性鑑別に,内科的治療によってcomplete healingが得られるかどうかを基準とするいわゆるtherapeutic trialが従来重要視されて来た.
近年わが国において多数例の早期胃癌が発見されてからは,このtherapeutic trialが早期胃癌に対しては役に立たないということがわかった.すなわち陥凹型早期胃癌の中にある潰瘍は,抗潰瘍治療によって著明に治癒傾向がみられる.しかし今まで報告された多くの症例は初診時よりそれが癌であったという確証を欠いている.
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