胃と腸ノート
悪性潰瘍の治癒例(10)
三輪 剛
1
,
武藤 征郎
1
,
広田 映五
1
1国立がんセンター
pp.356
発行日 1973年3月25日
Published Date 1973/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108395
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〔第10例〕I. K. 60歳,女
主訴:胸内苦悶および心窩部痛.
理学的検査所見:特に異常なし.
胃液酸度:ガストリン法で最高総酸度73mEq/L.
胃カメラ所見:図1に示すように,体中部後壁に不整形の活動期の潰瘍がみられる.被覆する白苔は,口側および小轡側にはみ出し,小轡側では不整出血もみられる.集中する粘膜ひだは潰瘍辺縁の手前で,一度くびれをみせ,辺縁で不規則に中断している.また,一部の粘膜ひだには発赤およびかなりの腫脹がみられる.
胃生検:図2に示すように,潰瘍辺縁より採取された標本の病理組織学的検索の結果,signet ring cell carcinomaであった.
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