今月の主題 早期胃癌と線状潰瘍の合併
症例
症例14 胃角部線状潰瘍と共存したⅡc+Ⅲ型早期胃癌
福富 久之
1
,
椎名 裕朗
1
,
崎田 隆夫
1
,
山田 達哉
2
,
山本 浩
3
,
佐野 量造
4
,
広田 映五
4
1国立がんセンター内科
2国立がんセンター放射線科
3国立がんセンター外科
4国立がんセンター病理
pp.1068-1070
発行日 1973年8月25日
Published Date 1973/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108607
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〔患者〕51歳 女
主訴:左側腹部痛,吐き気
家族歴・既往歴:特記すべきことなし.
現病歴および経過:約5年前より時々吐き気,上腹部不快感を覚えるようになった.1カ月前より症状が増強してきたので近医を受診,胃レ線検査で胃潰瘍と診断され内服薬の投与を受けていたが,さらに精査を希望して本院を受診した.胃レ線検査および胃内視鏡検査でⅡc+Ⅲ型早期胃癌と診断され入院した.入院時,理学的検査,血液生化学検査で異常なく,便潜血反応はB法(+),G法(-),胃液酸度は低酸であった.入院後生検でadenocarcinoma mucocellulareを確診し,その後のレ線,内視鏡検査で変化の強いことから進行癌の可能性もありとして手術された.結果はⅡc+Ⅲ,深達度mの早期胃癌であった.
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