今月の主題 早期胃癌と線状潰瘍の合併
症例
症例9 多発潰瘍を思わせる線状潰瘍瘢痕に随伴した早期胃癌例
三戸 康郎
1
,
副島 一彦
1
,
脇田 政康
1
1九州大学医学部第2外科
pp.1053-1055
発行日 1973年8月25日
Published Date 1973/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108591
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〔患者〕瓜○与○ 58歳 男 無職
家族歴:特記すべきことはない
生活歴:酒1日2合,タバコ1日13本平均
既往歴:25歳の時虫垂切除
現病歴:昭和37年4月ごろより軽度の上腹部痛あり.売薬を内服していたが41年1月ごろから疼痛が強くなり,同年5月胃透視で胃潰瘍を指摘され,6月に胃カメラ,さらに8月胃透視および胃カメラでⅡc+Ⅲの疑いありとされた.細胞診ではClass Ⅰであった.41年9月21日手術のため当外科へ入院した.貧血・黄疸などなく,全身所見に異常はない.上腹部にも触診上異常なく,胃液は正酸(15/38),胃粘膜精査所見としては,以下図1~4の術前X線像および胃カメラ像より,多発性瘢痕性潰瘍と診断され,R1の手術(胃部分切除)が施行された.
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