今月の主題 胃粘膜下腫瘍
症例
線状潰瘍瘢痕から発生せる早期胃癌の1例
倉俣 英夫
1
,
幡谷 健
1
,
宇南山 史郎
1
,
坪井 晟
2
,
風戸 計民
2
1神奈川県立成人病センター内視鏡
2神奈川県立成人病センター放射線
pp.961-966
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111998
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.緒言
最近,早期胃癌発見のために,レ線間接撮影による胃集検が年を追って盛大になりつつあるが,このレ線間接撮影が集検車によった場合は,撮影時の種々な条件が影響して,その結果が時に非常に大きく変ってくることに注意せねばならない.
われわれは第1回の胃レ線間接撮影で「異常無し」とされたものが,1年後,同様胃集検で「角上部辺縁不整」を指摘され,引続いての精検で,「角上部線状潰瘍」とされ,さらにその中央部に潰瘍瘢痕から発生した表面陥凹型早期胃癌(Ⅱc)が内視鏡検査並びに胃生検で発見されたと謂う興味ある診断経過を示した症例を経験したので,ここに報告する.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.