胃と腸ノート
大腸の炎症性ポリポージス(2)―消化器病学の用語をめぐって
竹本 忠良
1
,
長廻 紘
1
1東京女子医科大学消化器内科
pp.204
発行日 1973年2月25日
Published Date 1973/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108363
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大腸粘膜における強い炎症性変化の楯の両面とみなすべき炎症性ポリープと粘膜萎縮は,ともに慢性期の潰瘍性大腸炎および他の炎症性疾患の特徴的な所見であり,通常は同一症例において両方の所見がみられることが多い.
炎症がまだ活動性の場合には炎症性ポリープをとりまく周囲粘膜に炎症所見が強いのが普通であるが,炎症がおさまるにしたがって,その部は萎縮像を示すようになる.その後,再燃がない場合にはさきにも述べたように,粘膜の萎縮像が主体をなし,炎症性ポリープは散在性に残存するかあるいはまったく消失するに至る.さて,過去2年余の間に消化器病センターおよび関連病院で長廻が内視鏡的に観察した炎症性ポリープは次の通りである.
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