Coffee Break
膵炎のときの出血性胃炎
M
pp.736
発行日 1981年7月25日
Published Date 1981/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108091
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急性膵炎のとき,かなり高頻度に出血性胃炎の合併がみられる.日常の診療で気づいている人は多いが,なぜかを解明した人はいないようである.いろいろな推測はできるがどうも納得しにくい説明しかできない.
鈴木らは,ウサギの膵管に自家胆汗を注入して,いろいろな程度の急性膵炎を作製し,その後の血中ガストリン値を追跡した.その結果,血中アミラーゼ値と共に血中ガストリン値も上昇し,このガストリン値は膵炎発症後約3時間でピークに達し,その後漸次減少していったが,急性膵炎の程度がひどいほどこの血中ガストリン値上昇率は著しかった.そして,おそらくこの血中ガストリン値上昇が酸分泌充進を促し,粘膜損傷発来へと結びついていく可能性がある,と述べている.
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