Coffee Break
ERCP後の血中トリプシン値
M
pp.441
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108004
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内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を行うと,その後一過性に血中アミラーゼ値が高くなることはしばしば経験することであるが,急性膵炎を惹起することはまれである.このアミラーゼは必ずしも膵からのものとは限らない.しばしば上部消化管内視鏡後に両耳下腺に軽い痛みおぼえるのは,耳下腺もアミラーゼ値上昇と関係があるのかもしれない.
膵特異性の強いトリプシンの血中逸脱をみると,これもかなりの頻度でERCP後に上昇することがVentrucciらによって報告された.しかし膵炎症状は全くみられないということである.どうもERCPによる膵実質障害はほとんど起こらないのではないかと思われる.
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