Coffee Break
腫瘍はそれぞれ機能性だろう
M
pp.442
発行日 1981年4月25日
Published Date 1981/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113062
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本来,内分泌細胞ではない細胞から発生した腫瘍が,異所性にポリペプタイドホルモンを分泌することがある.これはいわゆるabnormal gene regulationによる表現の1つである.これらはLevineとMetzの分類に従えば,neural crest由来の腫瘍を第1群と呼び,インスリン,カルシトニン,ACTH,MSH,ガストリン,グルカゴン,セクレチン,バゾプレッシン,Biogenic aminesなどを分泌する.内胚葉系中胚葉系の腫瘍を第2群と呼び,パラトルモン,エリスロポエチン,ゴナドトロピン,胎盤性ラクトゲン,プロラクチン,成長ホルモン,インスリン様活性,レニン,サイロトロピンなどを分泌する.
一体どうしてこんなことが起こるのか,いまのところ遺伝子が何らかの形で変化して,このような機能を持つようになるのか,胎児からの遺伝子が潜在性にあって何らかの誘因を通して顕性となり,ホルモンを合成するに至ったのかであろうと考えられている.
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