今月の主題 胃癌の化学療法
主題症例 胃癌の化学療法
A.胃癌が化学療法によってほぼ完全に消失し,現在も再発せず生存中の症例群
④化学療法により著効をきたしたBorrmann2型胃癌
藤田 圭吾
1
,
松江 寛人
2
K. Fujita
1
1藤田胃腸病院
2国立がんセンター病院放射線診断部
pp.1675-1678
発行日 1979年12月25日
Published Date 1979/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107862
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
患者 57歳 男性
既往歴および家族歴とも特記事項はない.
現症および治療経過:軽度の心窩部痛および不定の消化器症状を主訴として1978年9月11日来院する.眼瞼結膜には貧血,黄疸認められず,胸部理学的に異常所見なく,全身リンパ節腫脹も認められない.腹部所見は肝3~4横指腫脹を認めるも,腫瘤触知せず,腹水も認められない.検査所見でも末梢血液所見等に異常を認めず,血清生化学検査でもT.P. 7.1g/dl,Meulengracht 5,TTT 0.2,ZST 3.2,GOT 21,GPT 14,A1-pase 7.1,Cholesterol 212mg/dl,LDH 310,γ-GPT 12,LAP 140,CEA 2.5,α-fetoprotein(RI)0.02mμg等で異常を認めない.肝シンチグラム,腹部CTは施行していない.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.