--------------------
書評「クリストファー外科学」
陣内 伝之助
1
1近畿大学
pp.792
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107306
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
このたび,David C. Sabiston, Jr.によって編集されたDavis-ChristopherのText-book of Surgeryの日本語翻訳版が,東大,石川浩一教授,草間悟助教授の監訳で完成されたことは,まことに喜ばしいことで近来にない快挙というべきであろう.
戦前の医学書の多くはドイツ語で書かれたものであったが,戦後,医学にも英語が主として用いられるようになり,以来私も,もっともすぐれた,信頼のある,手頃の教科書として,早くから講義や診療に本書のお世話になることがしばしばであったし,また学生に対しても常に推奨してきたものであった.
本書の目次をみても容易に肯づけるように,外科学全般にわたって総論と各論を巧みに調和させて記述してあるだけでなく,外科学発展の歴史から,外科患者の代謝,麻酔,移植,小児外科,脳神経外科,手の外科,婦人科,泌尿器科,心臓血管外科等,一般外科の境界領域をも含め,さらに外科医の教育や倫理に至るまで,医学生や研修生にとって,まことに行き届いた配慮がなされている点では,おそらく本書の右に出るものはないと信じている.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.