Japanese
English
今月の主題 胃癌の発育経過
主題症例
A.胃癌の発育経過(形態の変化を中心として)
2)陥凹型胃癌の発育経過
Case 13 悪性サイクルをたどった進行癌の1例
A. Macroscopic changes of gastric cancer (centering on morphologic changes)―2) Macroscopic changes of depressed type gastric cancer (cases 13)
八尾 恒良
1
T. Yao
1
1九州大学医学部第2内科
pp.34-35
発行日 1978年1月25日
Published Date 1978/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107178
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患 者:浜○ 広 67歳 男
本例は漿膜に達した進行癌であったが,最終的に胃癌として切除されるまで胃潰瘍として3年5カ月間経過を観察され,この間22回のX線検査と12回の内視鏡検査を受けている.この間の検査回数およびその時点での潰瘍の状態をTable 1に示したが,本稿では頻回の検査材料の中で,矢印で示した時点の内視鏡写真と手術標本肉眼写真,病理組織所見を呈示し,若干の考察を加えた.
癌巣内消化性潰瘍の経過 Fig. 1は1963年5月9日(術前3年5カ月前)の内視鏡像である.胃角にやせと陥凹部を認める.陥凹部には,面積を有した発赤とまだら模様をみる.潰瘍はほぼ瘢痕の状態にある.この状態は,時に病巣部にpin pointの白苔の出没をみながら,1963年12月までの5回の内視鏡写真上,ほとんど変化しなかった.
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