増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔胃〕
悪性サイクル(malignant cycle)
赤松 泰次
1
1長野県立須坂病院内視鏡センター
キーワード:
良性サイクル
,
崎田・三輪分類
,
癌性潰瘍
Keyword:
良性サイクル
,
崎田・三輪分類
,
癌性潰瘍
pp.612
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200962
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定義
シェーマ1)に示すように,良性の消化性潰瘍は活動期(A1,A2),治癒過程期(H1,H2),瘢痕期(S1,S2)と変化し,再発すると瘢痕期から再び活動期に戻ることを“良性サイクル”と言う(崎田・三輪分類)1).また,陥凹型早期胃癌(0-IIc病変)の中に形成される潰瘍も同じような経過を示し,これを“悪性サイクル”と呼ぶ.すなわち,0-IIc病変内に潰瘍を形成すると,0-III病変(活動期に相当)または0-III+IIc病変(Fig. 1)ないし0-IIc+III病変(治癒過程期に相当)となり,潰瘍が瘢痕化すると0-IIc+Ul scar(瘢痕期に相当,Fig. 2,3)に肉眼型が変化する.さらに,潰瘍が再発すると0-III病変ないし0-III+IIc病変に戻る.しかし,胃癌と診断した時点で通常切除されるため,悪性サイクル全体を通して観察する機会は少ない.
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