Japanese
English
今月の主題 胃癌の発育経過
主題症例
A.胃癌の発育経過(形態の変化を中心として)
2)陥凹型胃癌の発育経過
Case 12 胃カメラで悪性サイクルを完全に一周したことを追跡した症例
A. Macroscopic changes of gastric cancer (centering on morphologic changes)―2) Macroscopic changes of depressed type gastric cancer (cases 12)
小黒 八七郎
1
Y. Oguro
1
1国立がんセンター
pp.32-33
発行日 1978年1月25日
Published Date 1978/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107177
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患 者:49歳 女 主婦
1965年10月,激しい上腹痛のため受診し,胃X線検査及び胃カメラ(PⅡ型)検査の結果胃潰瘍と診断されて入院した.その際の胃カメラ像はFig. 1の如く,胃体下部小彎と前壁の境界に1cm弱の胃潰瘍(H1)があり,底部は白苔におおわれ,辺縁はやや不整だが周辺隆起は軽度で凹凸不整も著しくなく,前壁から2本のひだの著明な集中がみられるが蚕蝕像ははっきりしない.型通りの食餌,安静と薬物療法でとう痛は消失し,37日後の胃カメラ像はFig. 2の如く,いわゆるalmost healed ulcer(H3)で中心にごくわずかのびらん状白苔があり,ひだの集中はあるが蚕蝕像は認められない.初めより約3ヵ月後はFig. 3の如く,中心の発赤とわずかの凹凸不整,その辺縁の褪色,ひだの集中と蚕蝕像?を認める.患者は神経質のため,X線とpⅡ型胃カメラ検査には応じたが,生検は拒否した.
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