Japanese
English
今月の主題 Crohn病の経過
序説
Crohn病患者の診療に当たって思うこと
Introduction
八尾 恒良
1
T. Yao
1
1福岡大学医学部第1内科
pp.249-250
発行日 1984年3月25日
Published Date 1984/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106970
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- Abstract 文献概要
10年前,18歳の美人のCrohn病患者を診たときには経験のない悲しさから,腸結核を否定できず2週間抗結核剤を投与して様子をみた.その後SASPにて一旦寛解をもたらすことができたが,SASPのための胃症状が強く,1年後には大きな胃潰瘍を併発し,Crohn病も増悪して再入院した.このころ欧米の文献を読みあさり,再発率が60%という数字を頼りに,再発しないことを祈りながら手術に踏み切った.ごく最近,過激な職業に従事しているその患者さんに電話を入れたところ,快く来院していただき小腸二重造影法を含む諸検査を行ったが再発はみられなかった.
次に手術した患者さんは既手術例であったが,広範囲にわたる狭窄のため残存小腸が1m20cmと,広範囲切除のやむなきに至った.この患者さんは現在,低蛋白血症以外の自覚症状は少ないものの,著明かつ広汎な病変と狭窄を起こしており,再々手術の必然性を考えると憂鬱である.
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