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今月の主題 早期大腸癌の病理診断の諸問題―小病変の診断を中心に
特集
早期大腸癌の病理組織診断―その差はどこにあるのか
Case Presentation of Early Colorectal Carcinoma and Its Pathological Diagnosis by Leading Pathologists
石黒 信吾
1
,
岩下 明徳
2
,
加藤 洋
3
,
喜納 勇
4
,
小池 盛雄
5
,
下田 忠和
6
,
中村 恭一
7
,
渡辺 英伸
8
Hidenobu Watanabe
8
1大阪府立成人病センター病理
2福岡大学筑紫病院病理
3癌研究所病理
4浜松医科大学第1病理
5都立駒込病院病理
6東京慈恵会医科大学病理
7東京医科歯科大学第1病理
8新潟大学第1病理
pp.633-666
発行日 1992年6月25日
Published Date 1992/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106887
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大腸上皮性腫瘍の組織診断基準は世界的にみて確立されているとは言いがたい.特に欧米の代表的病理医Morsonのそれは粘膜内癌に対し,癌の組織診断を下していない点に問題がある.これに対し,わが国で初めて粘膜内癌と腺腫を区別する努力が大いに払われてきた.しかし,その診断基準はいまだ統一をみていないのが現状である.更に,本邦で初めて,小さな陥凹性病変が続々と発見され,このこともまた組織診断基準の確立を迫る結果となってきた.
本号では,特に10mm以下の病変で,内視鏡写真,内視鏡的切除病変の実体顕微鏡写真,組織標本の揃った症例を,各施設から送っていただき,この中から33症例を選んだ本邦8人の病理医に33症例を回覧し,組織診断,癌の場合その診断根拠とカラー写真上に癌部分の指示をお願いした.各症例の代表顕微鏡写真は,病理医の誰かが最も悪い組織像とした部分,最も良い組織像とした部分,異なった意見になった部分,代表的部分を渡辺が撮影したものである.
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