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書評「―スタンダードテキスト―腹腔鏡下外科手術―Surgical Laparoscopy」
武藤 輝一
1
1新潟大学
pp.1304
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106311
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内視鏡下外科手術はわが国でも急速に普及しつつあり,明年6月京都において出月康夫会長の主宰で第4回世界内視鏡外科学会が開催されることになった.特に腹腔鏡下胆囊摘出術は病院の大きさを問わず,ほとんどの病院で実施されている.腹腔鏡下手術は早くから婦人科領域で行われ,パイオニアであるKiel大学のKunt Semm教授の施設では現在75%の婦人科手術が腹腔鏡下で行われていることをいう.私は1988年夏,Kiel大学外科を訪れ小腸移植の臨床成功例を見たが,このときに婦人科の腹腔鏡下手術を見せてもらっていればと今になって悔んでいる次第である.
本書“Surgical Laparoscopy”はKarl A. Zucker准教授の編集によるもので,執筆者にはZucker准教授一門の人達が多い.高名な方々の分担執筆ではなく,現在まで腹腔鏡下手術の第一線で苦労し,豊かな経験を持ち,優れた治療成績を挙げてきた,若手も含めた専門の方々が執筆しているところに意義がある.その理由は,本書の重点を手術手技の実際とそれに関連する項目においたところにある.
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