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書評「大腸ポリープ・ポリポーシス―臨床と病理」
杉町 圭蔵
1
1九州大学第2外科
pp.1322
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106313
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武藤徹一郎教授の大腸ポリープ・ポリポーシスに賭ける意気込みを,本書の端から端まで強く感じながら,一気に興味深く読ませていただいた.大腸ポリープ・ポリポーシスに関する多くの問題は,この1冊の中にすべて網羅されており,この本は後世に残るすばらしい本であり,是非多くの方々に読んでいただきたいと,自信を持ってお薦めする次第である.
本書には大きく3つの特徴があるように思う.第1は臨床的に大変重要なポリープの理解に,組織学的所見の重要性を説いておられる点である.臨床の理解に基礎(病理学)が必要なことは言うまでもないが,本書はこの点を見事に実践している.これは著者が英国の著名な病理学者Dr. BC. Morsonに学び,Surgeonとしてのみならず,Pathologistとしてもすばらしい才能と知識をお持ちであることに起因しているものであろう.大腸粘膜癌は病理学者間でも未だ診断基準にかなりの差異がある点を指摘し,この点についても,より客観的観点より記述されている.
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