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書評「―対話―ウイルス肝炎」
辻井 正
1
1奈良県立医科大学第3内科
pp.1260
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106305
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ウイルス肝炎に関する基礎的・臨床的研究の進歩は目覚ましく,肝炎ウイルスマーカーの開発,インターフェロン療法の導入によってウイルス肝炎の診療はひとしお活気を呈している.この時期に医学書院から矢野右人・清澤研道両博士による「対話 ウイルス肝炎」が出版された.実力者2人が対話形式でウイルス肝炎を論じたユニークな書籍である.
通読して驚嘆した.素晴らしい本が上梓されたものである.長年にわたって多数の肝疾患患者と対峙し,その道一筋に全力を傾け,診療を通じて湧き出る問題点を自らの臨床研究によって解決すべく尽力されてきた真の実力派の2人がウイルス肝炎の診断と治療,そして予防の実際を余すところなく語り尽した本である.しかもその背景には2人のアカデミックな姿勢がにじみ出ており,科学的証拠に裏付けられた論理性に富んだ内容である.
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