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書評「膵切除のテクニックと患者管理」
高田 忠敬
pp.1198
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105950
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“膵頭十二指腸切除術が膵・胆道外科専門医としての私を育てた”と,著者自身が述懐されているように,著者の中山和道氏は常に膵・胆道外科の最先端を走り続けてこられた.当初,氏の芸術的とも言える繊細なテクニックをもってしても,膵腸吻合縫合不全などの合併症に悩まされていたという事実は,この問題がいかに大きなものであるかを示している.
今日,膵頭十二指腸切除術が市中の一般病院でも行いうるようになった背景を考えるとき,術前術後管理の進歩に負うところも大きいが,それ以上に外科学会や消化器外科学会をはじめとする諸学会での議論,啓蒙が大きな役割を果たしてきた.その学会活動の中心で活躍し続けてきたのが,中山和道氏であり,氏の明快な論調と情熱あふれるパフォーマンスによって,私をはじめ全国の外科医に多くの支持者がいることも事実である.また,氏による種々の手技の工夫などの積み重ねがこの膵頭十二指腸切除術をより安全なものとしてきた.
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