特集 早期大腸癌1994
主題
Ⅰ.見つけ出し診断法
3.X線検査
(3)X線検査の精度
松井 敏幸
1
,
津田 純郎
1
,
八尾 恒良
1
,
北原 健二
1
,
竹中 国昭
1
1福岡大学筑紫病院消化器科
キーワード:
早期大腸癌
,
見つけ出し診断
,
X線診断
,
精度
Keyword:
早期大腸癌
,
見つけ出し診断
,
X線診断
,
精度
pp.33-43
発行日 1994年2月26日
Published Date 1994/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105702
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要旨 早期大腸癌と表面型腫瘍を対象にしてX線検査による見つけ出し診断の現況を分析した.隆起型病変の誤診率は内視鏡検査を基準にすると7.4~35%であった.誤診率は全大腸内視鏡検査を基準にすると高率となり,右側結腸に高い傾向があった.早期癌のうちsm癌の誤診率は0~37.5%と幅があり,誤診原因の主なものは見逃し(描出),右側結腸病変,多発病変症例であった.以上から,早期大腸癌の存在診断能を向上させるためには右側結腸の丁寧な検査とX線読影能の向上と前処置の改善が必要で,また全大腸内視鏡検査を頻用することが望ましい.表面型腫瘍のルーチンX線描出率・正診率は徐々に向上している.すなわち,Ⅱaでは5mmを超えると50%以上が,陥凹をみる型でも15~28%が正診され,再読影時の診断率は初回読影時の約2倍であった.更に精密X線検査では80%近い描出率がなされ,今後X線検査による診断能の向上が期待できる.
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