研究と報告【投稿】
携帯電話を介した医療通訳を試用して―精度,有用性,問題点
成田 有吾
1
,
林 智世
1
,
原田 理恵
1
,
鈴木 志保子
1
,
成田 陽子
2
Esteban C. Gabazza
3
1三重大学医学部附属病院医療福祉支援センター
2三重大学医学部附属病院ボランティア
3三重大学大学院病態制御医学講座呼吸器内科学
キーワード:
医療通訳
,
携帯電話
,
精度
,
ポルトガル語
,
スペイン語
Keyword:
医療通訳
,
携帯電話
,
精度
,
ポルトガル語
,
スペイン語
pp.739-743
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100375
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要 旨 近年の外国人患者の増加は著しく,意思疎通の不自由さから診療に支障をきたすことがある.NPO法人が提供する携帯電話を介してのポルトガル語あるいはスペイン語と日本語間の医療通訳の精度と有用性について,2006年1月12日~2月28日に三重大学医学部附属病院を受診した同言語を母国語とする外来患者に半構造化面接を実施し,6名(男4,女2,年齢23.2±19.9歳[平均±標準偏差])の8診療場面(録音時間;3.8~63.5,20.0±18.6分[同])を検討した.通訳精度は良好であった.精神科では通訳者が同席しないことで患者からの発言が促進されたことが指摘された.医療職には通訳の依頼方法や費用についての知識は乏しく,患者からは過去に通訳を雇っても十分な医療が受けられなかった事例や費用が高いことの指摘があった.今回のシステムの有用性は及第と考えられるが,課金方法や費用負担に問題が残っている.
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