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書評「死生学―他者の死と自己の死」
多賀須 幸男
1
1多賀須消化器科・内科クリニック
pp.795
発行日 1997年5月25日
Published Date 1997/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105139
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著者はこの本を日本初の衛生学的死生学の教科書と位置づけている.個人および社会の健康増進をめざす衛生学の立場で死生学を解説しようとする著者のユニークな試みは,大成功したようにみえる.ちなみに山本俊一氏は6代目の東大衛生学教授で,1992年には医学書院から「死生学のすすめ」を出版している.
副題が示すように,本書は第1部“他者の死”と,第2部“自己の死”から構成され,それぞれ130頁,174頁が当てられている.著者によると両者はまったく別物であり,死生学を始めるにあたってまずその区別をはっきりしなくてはならない.“自己の死”をどう理解するかによって,“他者の死”の理解が変わってくる.本書は,この2つを合成するために書かれた.
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