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書評「胃外科」
小川 道雄
1
1熊本大学外科
pp.710
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105121
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私の駆け出し時代には,幽門側胃切除術は切除と再建を伴うmajor手術のうち,若い医師が最初に執刀させてもらう手術であった.現在とは違って,執刀の機会はなかなか頂けなかった.鉤を引きながら,いつかこの手術を,と思っていた.手術の1つ1つの操作を暗記していた.そらで全操作を言えるようになっていた.
頭の中では完全に胃切除術を行えるまでになっていたのだが,最初の胃切除術では頭に血が昇り,ただ前立ちの先生の指示どおりに,何が何だかわからないうちに手術を終わっていた.今もそれだけは覚えているが,手術所見も満足に書けないくらいだった.
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