特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅴ.鑑別診断
(6)感染性腸炎(アメーバ赤痢,結核を除く)
加藤 裕昭
1
,
榊 信廣
1
,
山田 義也
2
,
中嶋 均
3
,
田島 強
4
1東京都立駒込病院内視鏡科
2東京都立駒込病院内科
3国保黒石病院内科
4東京都立大久保病院内科
キーワード:
感染性腸炎
,
大腸内視鏡検査
Keyword:
感染性腸炎
,
大腸内視鏡検査
pp.475-480
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105082
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要旨 感染性腸炎の存在は,詳細な病歴の聴取と特徴的な臨床経過により推定できる場合が多い.慢性感染性腸炎では,比較的特徴的な内視鏡所見がみられ,大腸内視鏡検査は診断に有効であるが,急性感染性腸炎では,病原体に特有な内視鏡所見が少なく,大腸内視鏡検査の果たす役割は,病変部位とその拡がり,程度,他の炎症性腸疾患との鑑別などが主である.感染性腸炎では病原体の検出が必要であり,非特異性腸炎の初期像との鑑別には,経過を追った“時間の目”でみることが必要である.感染性腸炎は社会環境の変化によって大きく消長し,常に新しい疾患の出現も予想され,1つ1つの症例を十分に注意しながら観察していくことが大切である.
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