特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅴ.鑑別診断
(7)アメーバ赤痢
北野 厚生
1
,
松本 誉之
1
,
押谷 伸英
2
,
大川 清孝
3
1大阪市立十三市民病院内科
2大阪市立大学医学部第3内科
3大阪市立総合医療センター消化器内科
キーワード:
アメーバ赤痢
,
Entamoeba histolytica
,
アメーバ性大腸炎
,
たこいぼ所見
,
ゲル内沈降法
Keyword:
アメーバ赤痢
,
Entamoeba histolytica
,
アメーバ性大腸炎
,
たこいぼ所見
,
ゲル内沈降法
pp.481-487
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105083
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要旨 国際化の時代を迎え,輸入感染症としてのアメーバ赤痢は増加傾向にあり,その理解と医療対応が望まれる.診断面では,海外渡航歴,同性愛行為などの感染経路の問診による検索,腹痛を伴わない慢性の粘血便,腹部膨満感などの臨床症状,更に内視鏡像では易出血傾向の強い浮腫,びらん,たこいぼ所見,潰瘍病変などの特徴的所見を把握し,特に潰瘍性大腸炎との鑑別が重要である.また,糞便や生検材料によるアメーバ原虫の検出,特に血清学的診断法としてのゲル内沈降法は特異性と再現性に優れている.治療薬としてはmetronidazole(750mg/日)の有効性が高い.
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