増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
II 微生物検査
各論
2 抗微生物薬の治療効果の判定
3 赤痢アメーバ
大西 健児
1
1東京都立墨東病院感染症科
pp.983-986
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102566
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1 基礎事項
(1)赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)は1個の細胞から構成されている原虫で,栄養型(trophozoite)と囊子(cyst)に大別される.
(2)栄養型は偽足を出し運動性があり,2分裂で増殖する.栄養型は組織へ侵入して病原性を発揮し,顕微鏡で観察すると赤血球を補食しているものがみられる.栄養型の細胞は外質と内質に分けられ,内質に核が存在する.栄養型の大きさは20×50μmくらいであるが,運動性があるため大きさや形状は常に変化する.栄養型の一部は門脈内に侵入し,肝臓へ至り増殖して組織を破壊し肝膿瘍を形成する.
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