特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅴ.鑑別診断
(2)腸結核
中野 浩
1
,
岩田 正巳
1
,
鈴木 理恵
1
,
宇野 浩之
1
,
村居 譲
1
,
大橋 儒郁
1
,
野村 知抄
1
,
西井 雅俊
1
,
保原 玲子
1
,
大橋 秀徳
1
,
中嶋 秀麿
1
,
高濱 和也
1
,
渡邊 真
1
1藤田保健衛生大学消化器内科
キーワード:
腸結核
,
X線所見
,
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
鑑別診断
Keyword:
腸結核
,
X線所見
,
Crohn病
,
潰瘍性大腸炎
,
鑑別診断
pp.441-449
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105078
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要旨 活動性腸結核13例のうちの5症例を挙げ,主にX線所見について解説し,それぞれの症例と鑑別診断を要するCrohn病,潰瘍性大腸炎症例を挙げ,鑑別点についてまとめた.腸結核の潰瘍は輪状潰瘍,横走潰瘍と“横”の配列,走行を示した.そして,個々の潰瘍は浅い,不整潰瘍とはっきりした周堤を伴う溝状,不整潰瘍がみられた。Crohn病では縦走潰瘍,不整小潰瘍,アフタ様潰瘍の縦の配列など“縦”の走行,配列を示した.また,潰瘍性大腸炎では“対称性”,“びまん性”の変化がみられ,これらの所見で腸結核,Crohn病との鑑別診断がなされる.腸結核の所見と対比させることによりCrohn病,潰瘍性大腸炎の所見が浮き彫りにされ,これら慢性炎症性腸疾患の病因解明への形態的アプローチの道が開かれる.
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