特集 消化管悪性リンパ腫1998
主題
Ⅱ.診断
胃悪性リンパ腫のX線診断―MALTリンパ腫のX線所見の中心として
中野 浩
1
,
野村 知抄
1
,
三沢 美帆
1
,
伊藤 隆雄
1
,
長坂 光夫
1
,
松浦 良徳
1
,
外間 政希
1
,
大橋 儒郁
1
,
鈴木 理恵
1
,
依光 伊作
1
,
宇野 浩之
1
,
神谷 雅人
1
,
西井 雅俊
1
,
保原 怜子
1
,
大橋 秀徳
1
,
高濱 和也
1
,
渡邊 真
1
,
黒田 誠
2
1藤田保健衛生大学消化器内科
2藤田保健衛生大学病理科
キーワード:
胃悪性リンパ腫
,
胃MALTリンパ腫
,
X線診断
Keyword:
胃悪性リンパ腫
,
胃MALTリンパ腫
,
X線診断
pp.325-334
発行日 1998年2月26日
Published Date 1998/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103600
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要旨 胃悪性リンパ腫の診断,治療のうえで中心的存在となったMALTリンパ腫のX線診断について手術症例27例(びまん,大細胞型悪性リンパ腫併存例2例を含む)を対象として報告した.症例は男性13例,女性14例,平均年齢53.4歳であった.X線所見は,①多発潰瘍,びらん,②表面陥凹,③顆粒状粘膜,④肥厚粘膜ひだ,⑤腫瘤形成で,多くの症例で,これらの所見が混在していた.潰瘍,びらん,表面陥凹など陥凹性の病変は早期胃癌Ⅱc型と類似し,鑑別を要するが,その多発性,陥凹辺縁,陥凹面の平滑さなどの点で鑑別が可能である.顆粒状粘膜は粘膜固有層の顆粒状変化,腫瘤形成は粘膜に関連した腫瘤の存在部位を反映している.また,肥厚粘膜ひだは粘膜自体の肥厚で,伸展性が認められた.リンパ腫の診断では組織診断が優先しがちであるが,高度悪性リンパ腫との鑑別,移行例への疑問,経過観察例の観察のポイントなど,これらの点を見極めるうえで,上記のX線所見を中心としたX線診断は欠かせない.
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