特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅴ.鑑別診断
(3)腸型Behçet,単純性潰瘍
渕上 忠彦
1
,
長村 俊志
1
,
堺 勇二
1
1松山赤十字病院消化器科
キーワード:
腸型Behçet
,
単純性潰瘍
,
鑑別診断
Keyword:
腸型Behçet
,
単純性潰瘍
,
鑑別診断
pp.451-458
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105079
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
要旨 腸型Behçetと単純性潰瘍の典型像は,回盲部近傍の打ち抜き様の深い潰瘍で,形態学的には病理組織像を含めて両者の鑑別は不可能であり,Behçet症状の有無で鑑別されている.しかしながら,腸型Behçetでは口内アフタと同様にアフタ様潰瘍が消化管に多発し,反復して出現することをしばしば経験する.この点が両疾患の鑑別点になるのかもしれない.両者の鑑別は困難であるにしても,そのほかの疾患との鑑別に困ることはまずないが,Crohn病,潰瘍性大腸炎,腸結核に類似した所見を呈した腸型Behçetの症例を提示し,それら疾患との鑑別点について述べた.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.