特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
NSAID服用にて著明なポリープの減少を認めたが大腸癌の併発を認めたCronkhite-Canada症候群の1例
鈴木 康夫
1,2
,
中尾 圭太郎
1,2
,
菱川 悦男
1,2
,
神津 照雄
1
,
齋藤 康
2
1千葉大学医学部附属病院光学医療診療部
2千葉大学医学部附属病院光学医療診療部第2内科
キーワード:
Cronkhite-Canada症候群
,
sulindac
,
癌化
,
腺腫
Keyword:
Cronkhite-Canada症候群
,
sulindac
,
癌化
,
腺腫
pp.468-472
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104832
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要旨 患者は52歳,男性.集検にて胃粘膜異常を指摘され,精査にて当科入院.胃,大腸にポリポーシス,そのほか脱毛,色素沈着,爪甲萎縮,家族歴よりCronkhite-Canada症候群(CCS)と診断.大腸のポリペクトミーにて,focal cancer in adenoma with hyperplasiaを認めた.退院後sulindacの内服開始.3か月後著明な大腸ポリープの減少を認めたが,約3.5年後に肝彎曲部近傍に進行大腸癌を認め,右半結腸部分切除術を施行,更に1年後,肝転移にて肝部分切除を施行された.その後もsulindacの内服を継続し外来通院1年後,胃ポリープの完全消失を認めた.CCSの治療,癌化および臨床経過を考えるうえで極めて興味ある症例と思われ報告した.
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