特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
長期の経過観察中に回腸癌が発生した家族性を示す若年性ポリポーシスの1例
樋口 哲郎
1
,
岩間 毅夫
1
,
家城 和男
1
,
金 仁燮
1
,
松崎 淳
1
,
菅野 純
2
1佐々木研究所附属杏雲堂病院外科
2国立医薬品食品衛生研究所毒性部
キーワード:
若年性ポリポーシス
,
回腸癌
,
成人型腸重積症
,
遺伝子診断
Keyword:
若年性ポリポーシス
,
回腸癌
,
成人型腸重積症
,
遺伝子診断
pp.451-455
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104829
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要旨 患者は49歳,女性.長期間にわたって追跡を行っているJPSの1家系の発端者である.腹痛,嘔吐を主訴とし,腸重積の診断で開腹術を施行した.回腸癌(深達度mp)を先進部とする腸重積であった.腫瘍はp53の過剰発現をfocalに認め,JPSに発生する回腸癌に関しても一般の大腸癌と同じくp53遺伝子異常が関係している可能性を示唆していた.JPSの責任遺伝子と言われるSMAD4,更にJPSに関連する可能性のあるSMAD1,SMAD2,SMAD3,SMAD5,PTEN,PTCHを検索したが異常は認めなかった.JPSの原因遺伝子はSMAD4のみでない可能性が高く,更に検討が必要である.
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