特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
下咽頭癌と腎細胞癌を合併したCowden病の1例
新井 太
1
,
本間 照
1
,
小林 正明
1
,
杉村 一仁
1
,
塚田 芳久
1
,
成澤 林太郎
1
,
朝倉 均
1
,
味岡 洋一
2
1新潟大学医学部第3内科
2新潟大学医学部第1病理
キーワード:
Cowden病
,
消化管ポリポーシス
,
下咽頭癌
,
腎細胞癌
Keyword:
Cowden病
,
消化管ポリポーシス
,
下咽頭癌
,
腎細胞癌
pp.456-460
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104830
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要旨 患者は63歳,男性.血疾を主訴に近医を受診.下咽頭腫瘍の疑いで当院耳鼻咽喉科を紹介され,精査の結果下咽頭の扁平上皮癌と診断された.術前の食道透視で静脈瘤を疑われ,消化管内視鏡検査を施行したところ,食道から大腸までの全消化管にポリポーシスを認めた.組織はいずれも過形成性もしくは過誤腫性の変化であった.顔面,両下肢に小丘診が,足底には角化性丘診の多発を認めCowden病と診断した.また,血尿の精査により左腎に腎細胞癌も発見され,Cowden病に重複癌を合併した男性例はほかに本邦報告例がなく,非常にまれな1例と考えられた.
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