特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
父と子に定型的Turcot症候群の発症がみられた1家系例
菊池 陽介
1
,
松井 敏幸
1
,
八尾 建史
1
,
津田 純郎
1
,
帆足 俊男
1
,
八尾 恒良
1
,
竹村 聡
2
,
岩下 明徳
2
,
田中 彰
3
,
古賀 充
4
1福岡大学筑紫病院消化器科
2福岡大学筑紫病院病理
3福岡大学筑紫病院脳神経外科
4九州がんセンター放射線科
キーワード:
Turcot's syndrome
,
大腸病変
Keyword:
Turcot's syndrome
,
大腸病変
pp.421-428
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104825
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要旨 父(31歳で死亡)と息子(25歳生存)に定型的Turcot症候群の発症がみられた1家系例を報告した.父子ともに,大腸ポリープは数が少なく,比較的大きなポリープで,若年での癌化もみられた.脳腫瘍はglioma系の腫瘍であった.文献例より定型的Turcot症候群35報告例を集計し,その大腸病変を検討した結果,Itohらの主張と同様に,家族性大腸腺腫症(FAP)と比較してポリープが大型で個数が少なく,若年時の癌化が特徴であった.しかし本例は優性遺伝と考えられるところが異なっていた.
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