特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
attenuated familial adenomatous polyposis(AFAP)の1例
江頭 秀人
1
,
松井 敏幸
1
,
津田 純郎
1
,
山本 淳也
1
,
平井 郁仁
1
,
真武 弘明
1
,
櫻井 俊弘
1
,
八尾 恒良
1
,
大重 要人
2
,
岩下 明徳
2
,
水野 充
3
,
飯田 三雄
3
1福岡大学筑紫病院消化器科
2福岡大学筑紫病院病理
3川崎医科大学内科(消化器Ⅱ)
キーワード:
AFAP
,
家族性大腸腺腫症
,
腺腫
Keyword:
AFAP
,
家族性大腸腺腫症
,
腺腫
pp.415-420
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104824
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
要旨 患者は65歳,女性.貧血,便潜血陽性の精査にて,大腸ポリポーシスを指摘された.家族歴上,母親が65歳時大腸癌と大腸ポリポーシスのため手術されていた.本症例の大腸には,径10mm以下のポリープが約200個と,上行結腸に径25mmの山田Ⅳ型腺腫と脾彎曲部に径5mmのⅡc型腺腫が認められた.数個のポリープからの生検組織診断は,すべて軽度から中等度異型腺腫で,癌の合併はなかった.そのほか,胃および回腸腺腫,下顎骨腫および網膜色素上皮肥大を認めた.遺伝子検索では,APC遺伝子exon5に胚細胞突然変異を認め,形態学的所見と合わせAFAPと診断した.上行結腸の山田Ⅳ型腺腫と脾彎曲部のⅡc型腺腫および胃腺腫に対する内視鏡的粘膜摘除のみを行い,経過観察中である.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.