特集 消化管ポリポーシス2000
トピックス
非ステロイド抗炎症剤による家族性大腸腺腫症の治療
赤須 孝之
1
1国立がんセンター中央病院外科
キーワード:
家族性大腸腺腫症
,
大腸癌
,
化学予防
,
非ステロイド抗炎症剤
,
cyclooxygenase-2 selective inhibitors
Keyword:
家族性大腸腺腫症
,
大腸癌
,
化学予防
,
非ステロイド抗炎症剤
,
cyclooxygenase-2 selective inhibitors
pp.373-377
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104816
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要旨 sulindacやindomethacinなどの非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)は家族性大腸腺腫症(FAP)の大腸ポリープを退縮させる効果を有する.しかし,その効果は完全とは言えず,大腸癌予防効果について十分な検討がなされていない.したがって,現時点でこれらのNSAIDsは結腸全摘や大腸全摘に替わるものではない.しかし,cyclooxygenase-2 selective inhibitorsを含むNSAIDsの中には,真に大腸癌予防に有効な薬剤が存在する可能性もあり,更なる検討を要する.また,NSAIDsによる大腸ポリープ縮小の機序はいまだ解明されておらず,その解明はFAPのみならず一般の大腸癌の予防法の研究にも役立つ可能性がある.
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