胃と腸 図譜
EBV関連胃癌(lymphoid stroma)
細川 治
1
,
海崎 泰治
2
,
宮永 太門
3
1横浜栄共済病院外科
2福井県立病院病理
3福井県立病院外科
pp.130-132
発行日 2012年1月25日
Published Date 2012/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104794
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1概念,病態
癌とその周囲へのリンパ球浸潤が高度である胃癌を指し,「胃癌取扱い規約第14版」で特殊型に亜分類された.胃癌全体の1~4%の頻度と報告され,リンパ球浸潤は粘膜下層を中心に髄様増殖を来すため粘膜内癌例はない1).“癌細胞数より浸潤リンパ球数のほうが多い”との組織学的定義が推奨される2).in situ hybridizationでEBV(Epstein-Barr virus)感染が認められることが多く,その頻度は70~90%と報告され,陽性の場合はほぼすべての癌細胞核にEBVが検出されることから,前癌期ないしは発癌初期に感染したと推論される3).リンパ球浸潤の免疫学的意義やvirus感染の発癌へのかかわりは解明されておらず,EBV陰性例に関してはさらに不明な点が多い.男性に多く,腫瘍は近位胃に局在することが大半である
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