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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
学術展示
虹彩に発生したreactive lymphoid hyperplasia
A case of reactive lymphoid hyperplasia of the iris
斉藤 学
1
,
田川 義継
1
,
竹内 勉
1
,
大野 重昭
1
Manabu Saito
1
,
Yoshitsugu Tagawa
1
,
Tsutomu Takeuchi
1
,
Shigeaki Ohno
1
1北海道大学医学部眼科学教室
pp.352-353
発行日 1985年3月15日
Published Date 1985/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209375
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- Abstract 文献概要
近年,眼科領域において,reactive lymphoid hyperpla-siaの症例が報告されているが,その発生部位としては,眼窩・結膜などの報告が多く,虹彩にみられたものはきわめて少ない.今回我々は,虹彩腫瘍の診断のもとに生検を行い,虹彩におけるreactive lymphoid hyper-plasiaと考えられた症例を経験したので報告する.
症例40歳男性.1983年5月頃より右視矇感出現するも放置していた.その後視矇感が次第に増強し,同年10月近医受診し,右眼の虹彩炎,続発緑内障,および虹彩の異常を指摘され,同年10月31日当科初診.初診時,視力右眼0.1(矯正不能),左眼1.2.眼圧右眼62mmHg,左眼16mmHg.右眼に角膜後面沈着物,前房出血,前房微塵を多数認め,虹彩は全周にわたり肥厚し,瞳孔縁には多数の腫瘍状隆起がみられた(図1).瞳孔径は3.5mmで対光反応は,直接・間接反応共ほぼ消失し,散瞳剤・縮瞳剤にもほとんど反応がみられなかった.隅角部は開放隅角で結節等はみられなかった.中間透光体には異常なく,眼底にも緑内障性乳頭陥凹を認める以外に著変はみられなかった.左眼は前眼部・中間透光体・眼底共特に異常はみられなかった.家族歴,既往歴に特記すべきことはなかった.全身的検査では,血液学的検査および同一般生化学的検査に異常はみられなかった.
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