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編集後記
渡辺 英伸
pp.732
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104704
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本号は,Helcobacter pylori除菌成功後3年以上経過観察された消化性潰瘍はどのような動態を示すのかを正確に把握したいとの願いで企画された.本号から,わが国の現状がおぼろげながら理解できる.しかし,各報告者間で研究デザインが異なることに大きな問題がある.このために,各成績を集計して一定の見解を作り出すことが困難と言えよう.既に,1施設で多数例を分析することは困難な時代となっている.除菌法,びらんと潰瘍の判定法,潰瘍の深さ,内視鏡検査施行時期,内視鏡検査が施行された症例かどうか,NSAIDsなど薬剤使用の有無,などの判断基準を一定にして,一定のプロトコールの下で分析が行われるべきであろう.精密で正確な仕事は日本人の得意とするところである.そのような仕事が日本から世界に向けて発信されるべき時期に今日本はあると思うのは筆者一人ではあるまい.
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